服作りに必要な素材づくりを1年間かけて行う「服のたねプロジェクト」
2022年からスタートし自分たちで種まき、発芽、植替え、収穫までの全てを行いコットン(綿)をつくり、
そのコットンがモノ(T-シャツ)となり実際に着る。という所までを行いました。
言葉にすると簡単に聞こえてしまいますが、このコットンを育てている一年間は色々な苦労があり、環境の変化をより身近に痛感する事になりました。農薬はもちろん肥料も使用せずに育てる「自然栽培」で行っていたので、虫に葉を食べらてしまう、土の中に潜っているイモムシに根を食べられてしまったり、そのイモムシを食べようとカラスが鉢をひっくり返さし、苗とあと少しで収穫できる実(コットンボール)を取られてしまったりと…..。
最後の最後までアクシデントはありましたが、渋谷・原宿ど真ん中まだまだ虫たちもカラスですが…。動物もいてなんか安心しました。
じつのところ一番のアクシデントは虫でも、カラスでもなく、近年問題にもなっております「気候の変化」でした。
たね蒔きをする前にたねを水に浸し発芽させてから、土に植えるのですがその浸した水の温度が温まりすぎて発芽まで至らず腐ってしまったり、
発芽してからも5.6月と急激な寒暖差があった為に、苗のほとんどが枯れてしまいました。(綿花栽培を行っている各所でこのような現象は起こっていたようです)
時期も時期でしたので早急にまた発芽から苗を育ることになりました。
本来暑さには強いとされている綿花ですが、プランターに植え変えてからも直射日光に当たりすぎると灼熱すぎて枯れる、すぐに水不足になり枯れてしまう事もありました、育てる環境も日陰で涼しいところに移動するなどして対応しました。※涼しい場所の基準が変わってきていると思いました。
温暖化で暑くなっていたのは肌感で実感しておりましたが、実際に植物を育てる中でたねも発芽しない、苗も育たない事が実際におき環境変化の深刻さを感じました。作物を育ている農家さんはもっと深刻になっているに違いありません。
育ていくなかでもちろん良い現象も起きたりもしてます!
コットンが開花していくにつれて、そこに蝶々やミツバチが集まってくれたり、
コットンボールが出来上がっていく11月頃には綿花にはあまりみられない紅葉がみられとても綺麗でした。
少量ではありましたが、綿花として収穫も出来き、それは素材としてお渡し、工場で糸から生地にしてもらいそこからT-シャツにして頂きました。
出来上がった実際のT-シャツを手にした学生たちも「自分たちが育てたコットンがホントにT-シャツに…..」と感動してました。
もちろんオーガニックコットンなので、触り心地や肌ざわりなどはものすごく良いです。
普段はふつうに安価で手にしやすいT-シャツですが、つくるのにはものすごい手間と時間、それに必要な物が沢山あります。
これから世の中に出ていく学生たちにはこの授業を通してモノづくりとは?なにかを少しでも感じてくれたらいいよ思っております。
そして1年間一緒になってサポートしてくれました株式会社ITONAMIの山脇さん本当にありがとうございました。
https://ito-nami.com/pages/fukunotane
発芽前の水浸し
苗植え準備
コットン講義
たね植えの様子
発芽の様子
2回目 たね水浸し
2回目 苗植え
2回目は思いを込めてドットのカップに植えました
プランターの植替え
こまめに水やり
コットン開花
ピンクも開花
実がついてきました。
カラスの襲撃
回収して再度植え直し
紅葉もしてコットンボール弾ける
収穫コットン
コットン贈呈
全国から回収されたコットン紡績
最終報告
T-シャツ完成